2019.7.21
「あなたはどこにいるのか」



創世記3章1~24節


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「蛇は女に言った。『決して死ぬことはない。……』」(4節)


 蛇はこの時、禁じられた木の実を食べても「決して死ぬことはない」と言って、「食べると必ず死んでしまう」という神様の言葉を真っ向から否定しました。神様の言葉と蛇の言葉はまったく逆です。確かに、木の実を食べた2人は即死することはありませんでした。でも、どうでしょうか。このあと、2人は楽園を追われ、「命の木」から遠ざけられて、人は死ぬ者となりました。“すぐに死ぬことはなかったんだから、蛇の言ったことのほうが正しい”と思う方もおられるかもしれません。しかし私は、「善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう」とおっしゃった神様の御言は、深いところで実現していると思うのです。

 「善悪の知識の木」の実を食べるということは、分かりやすく言うならば“人間が善悪を決める基準となる。人間がこの世の主人となり、また自らの人生の主人となる”ということです。それは、まさに今の世界の姿そのものではないでしょうか。みんな“我こそが善悪を決める基準なのだ。自分がいちばん正しい”と思って互いに相手を裁き合い、また自らの人生の主人が自分だと思い込んで好き勝手に振る舞っている。その結果、すべての人間が死と滅びへと向かっている。「食べると必ず死んでしまう」とおっしゃった神様の御言の通りです。

 聖書が語る〈罪〉という言葉の、元々の意味は〈的外れ〉です。神様という本当の命の的・目標から離れて生きる時、そこには必然的に、死がぽっかりと口を開けて待ち構えている。お互いに愛し合っていたはずのアダムとエバはこのあと、互いに責任を押し付け合う関係になってしまい、その二人の間に生まれたカインは、弟アベルを妬みのゆえに殺します。まさに、パウロが「罪が支払う報酬は死です」(ローマ6・23)と語っているとおりです。







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